
モノクロが美しく、何となくアントン・コービンの「コントロール」を思い出しました。フランスっぽい気怠さと円熟した感はコチラの方が上!
カメラマンのフランソワが女優のキャロルを撮影したことがきっかけで、恋に落ちる2人。
しかし、キャロルには夫がいるのですが、ハリウッドに滞在中で不在のため、
2人の愛は急速に深まって行きます。

「愛してる?
私が病気ならあなたの愛はどこへ?
私の髪の毛が抜けたり
歯がなくなっても私を愛せる?
愛してると言わないで。
先のことはわからない。
自分に素直に生きるだけ。
出会いと別れは美しくあれ、よ。」

「美しい別れなんかないよ。
去る者と、
涙を流し足を止めるものがいるだけだ。」
「本当に激しく愛し合えば一つになれる。
愛が終わればその存在が消えるだけ。
誰も涙を流さない。
フランソワ、悲しい。」

キャロルは頭ではフランソワに対する気持ちの傾倒を自制しているわけですが、「愛」の前にはそんなキレイごとにはなりません。
フランソワの言う通り、美しい別れは無いのです。
このあと、自制されない愛が行き場を失い溢れ出して、最悪の結果になってゆくのですが、この映画はモノクロームであるべきでした!
素晴らしい空気感。
フランソワの白いシャツ、それを着たキャロル、冷たい床にシルクのキャミソール1枚で横たわるキャロル、削ぎ落された洋服はまるでモダンバレエを観ているようでした。
最高の映画でした

ちなみに、フランソワ役のルイ・ガレルは監督の息子さん。
めちゃくちゃいいです!!女性の扱いがうまい(笑)
