
イーストウッド作品は見るのに「よし!」とちゃんと時間を用意しないといけません。なるべく言葉を聞き逃したくないからです。
アパルトヘイト時代の南アフリカ。27年間の投獄を経て釈放されたネルソンマンデラが大統領となり,自国のラグビーチームを通じて白人と黒人が一丸となって生きる祖国に変えていこうとする物語。
マンデラ役のモーガン・フリーマンは大きな大きな優しい笑顔だけで泣かせてくれました><
マットデイモンはマッチョデイモンと呼びたいくらいマッチョでした。が静かな演技がとても良かったです。
27年という気が遠くなる投獄生活、それを恨むことも無く赦し、白人との共生国に変えていこうとする姿勢は賢明で、限りなく優しい笑顔は人間の器の大きさを感じました。
つらい獄中で、彼を支えた一編の詩。
インビクタス
私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私はあらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを
無惨な状況においてさえ
私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ
血を流しても決して屈服はしない
激しい怒りと涙の彼方に
恐ろしい死が浮かび上がる
だが、長きにわたる脅しを受けてなお
私は何ひとつ恐れはしない
門がいかに狭かろうと
いかなる罰に苦しめられようと
私が我が運命の支配者
私が我が魂の指揮官なのだ
この詩を、弱小ラグビーチームのキャプテンに渡し、今なお残る白人と黒人の壁を変えていくよう導きます。
普通、スポ根映画ってめっちゃハードなトレーニングを課したり、何か秘策的な訓練をしたりそんなところにスポットをあてていきますが,この映画では「言葉」のみ。そこでこの映画がいかに「言葉の影響力」を伝えたかったのかわかる気がします。
単なる「言葉」が生きる助けになることを証明する映画でした。