
50年代の美しい街に、それこそ主婦のお手本のような美しい女性。
2人の可愛い子ども、会社重役の夫、主婦の鏡として雑誌にも取り上げられる自分、素敵なご近所さんとのパーティ。
そんな夢のような日々も、夫がゲイだという事実を知って崩壊して行きます。
そんな時、庭師の黒人男性と意気投合するキャサリンですが、まだ黒人差別の激しい50年代のアメリカではそれが大問題になってしまい・・・

私はサークを知らないので何ともいえないんですが、サークファンの為の映画だと言うことです。
さて、とにかくアカデミー賞にノミネートされたジュリアン・ムーアの演技がスゴイ!
このキャサリンという女性は、「家族のため」というよりは「家族のために尽くす自分」に酔っているような女性。子どもの試合より、自分のパーティを優先するような。かといって、他の女性より差別意識にもとらわれること無い内面も持っている。実は人間同士、垣根の低い感覚を持っていながら、50年代という時代に毒されている複雑な女性なのです。

人一倍オシャレなキャサリンなので、お洋服も凝っていました!
50年代特有のタイトなテイラードジャケットにふんわりスカートや、スカーフを頭に巻いたり、ファッションは見ていてとっても楽しめます。
夫がゲイだとわかり、しかも夫が逆切れしたりで、夢のような家庭が崩壊して行く様を見ていると、フィッツジェラルドの言葉が思い浮かびました。
「人生は崩壊の過程だ」

このフィッツジェラルドの言葉は、本を読んでいてとてもグッサリきたのでよく覚えているんです。
そして、だからこそ「人生を生き抜くには希望があることが大事」というこの言葉の本質も大好きです。
とにかく、ジュリアン・ムーアはスゴイ!という映画でした^^